見上げたもんだよ、八ツ場の橋脚
今月中旬、群馬・長野・新潟(上信越)の県境にそびえる標高2140メートルの白砂山に登ってきました。登山口は、群馬の奥の奥、野反湖畔に位置するので、近くのキャンプ場内のバンガローに前泊しました。野反湖は、湿原を水没させて造られたダムによる人造湖なのですが、まるで自然のような風情でした。関東にありながら野反ダムから落ちた水は太平洋ではなく、信濃川などを経て日本海に注ぎます。不穏な雲に覆われそうな野反湖の写真は野反峠で撮影、湖の先にダム本体やキャンプ場があります。
野反湖畔へ向かう途中、建設の是非をめぐり対立が先鋭化している八ツ場ダムの予定地を見てきました。ダムの必要性をPRする「やんば館」にはひっきりなしに車が出入りし、さながら観光地のようです。地元住民の強い反対が当初あったことも含め歴史を紹介するパネルやビデオが展示されていました。ただ、持ち帰れるパンフ類が何故かありませんでした(追記・増刷しても飛ぶようになくなるようです。「やんば館の来場者数が急上昇」参照)。
やんば館のそばでは、ダム湖をまたぐ橋が建設されていました。そびえ立つ橋脚(高さ87メートル)の威容は、住民生活に身近な集落、田んぼ、街道、線路など多くのものを足下に沈めようとする「国家」という名の怪物にも見えました。怪物に翻弄され続けた住民の悲劇を思わざるを得ません。
白砂山登山記は後日(^_^;)